集中治療室では、あらゆる原因によって生命の危機に瀕している重症患者の治療を行っています。そのような重症病態では、免疫が過剰に反応することから全身性炎症反応症候群を発症します。近年、遺伝子(DNA、RNA)や遺伝子産生物(たんぱく質、代謝産物)を網羅的に評価することが可能となってきました。本研究の目的は、網羅的分子情報に基づいて全身性炎症反応症候群の新規分子病態を解明することです。これから、将来的に個々の重症患者に最適な個別化医療の実現を目指します。
急性期ゲノムプロジェクトの新着ニュース
- 2023年1月24日
- Roche INFECTIOUS DISEASE AWARD 2022に選ばれました
- 2022年7月08日
- 第28回外科侵襲とサイトカイン研究会の優秀演題セッションで口頭発表しました
- 2022年6月05日
- 第25回日本臨床救急医学会総会・学術集会で発表をしました
急性期ゲノムプロジェクトの最近の実績
- 2023年2月28日
当科の松本寿健 特任助教は、大阪大学免疫学フロンティア研究センター単一細胞ゲノミクス研究室の石川昌弘 特任研究員、奥崎大介 准教授らとの共同研究で、COVID-19ワクチン接種に伴って発症した脳炎患者の血液シングルセルRNAシーケンス解析を行うことで、脳炎の急性期における骨髄系細胞集団の特徴を解明しました。(Frontiers in Immunology, 23 February 2023)
- 2022年12月15日
当科の松本寿健 特任助教は大阪大学免疫学フロンティア研究センター分化制御研究室の井上毅 准教授、黒崎知博 教授らとの共同研究で、2回目のSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種と比較して、3回目の接種ではOmicron変異体に対してより強力な中和活性が得られる機序を解明しました。
(J Exp Med (2023) 220 (2): e20221786.)
- 2022年11月30日
当講座の伊藤弘医師(博士課程)らは、大阪大学微生物病研究所ゲノム解析室遺伝情報学の奥崎大介特任准教授らと共同研究で、COVID-19と敗血症のトランスクリプトーム発現の差に好中球とミトコンドリアが影響を及ぼしていることを解明しました。
(Virology Journal (2022) 19:198)
- 2022年11月16日
当講座の蛯原健特任助教、松原庸博医師(現大阪警察病院医長)、戸上由貴医師(博士課程)らはCOVID-19における血中の網羅的タンパク質解析から重症例ではCHI3L1、WFDC2、KRT19、GDF15が上昇していることを明らかにしました。このうち入院時のCHI3L1、WFDC2、KRT19を測定することで重症化リスクの高い集団(フェノタイプ)を同定する手法を開発しました。
(J Clin Immunol. 2022 Nov 4. Epub ahead of print)
同研究は2022年11月11日に大阪大学よりプレスリリースされました
- 2022年8月25日
当講座博士課程の戸上由貴医師らが重症COVID-19患者の全血メッセンジャーRNA・マイクロRNAを統合解析し、マイクロRNAの制御作用を通じてインターフェロンシグナル経路が活性化していることを明らかにしました。
(Molecular Therapy Nucleic Acids. Volume 29, (2022), Pages 343-353)
同研究は、国内外のニュースサイトで紹介されました。
<掲載サイト>
(大阪大学大学院医学系研究科・医学部プレスリリース)
(大阪プレスセンター)
(EurekAlert!)
(AlphaGalileo)
(Asia Research News)