COVID-19ワクチン接種に伴って発症した脳炎患者の骨髄系細胞集団の特徴を解明しました 2回目のSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種と比較して、3回目の接種ではOmicron変異体に対してより強力な中和活性が得られる機序を解明 COVID-19と敗血症のトランスクリプトーム発現の差に好中球とミトコンドリアが影響 COVID-19における血中の網羅的タンパク質解析から重症例ではCHI3L1、WFDC2、KRT19、GDF15が上昇 当講座博士課程の戸上由貴医師らが重症COVID-19患者の全血メッセンジャーRNA・マイクロRNAを統合解析し、マイクロRNAの制御作用を通じてインターフェロンシグナル経路が活性化していることを明らかにしました 当講座特任助教の舘野丈太郎医師らが、日本外傷データバンク(JTDB)データを用いて外傷死亡リスクの高い集団(フェノタイプ)を外傷診療の早期に同定する手法を開発 当講座の蛯原健特任助教は、COVID-19において脂肪組織などから分泌されるレジスチンが炎症性サイトカインや血管内皮障害マーカーと関連をもち、重症COVID-19の病態に関与することを明らかにしました 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗N抗体がSARS-CoV-2感染肺胞におけるIL-6産生を促進することを解明しました 当講座の蛯原健医員が、COVID-19患者におけるパブリックデータを用い血漿の網羅的タンパク質解析から病態に関与しているサイトカインを同定

当講座の蛯原健医員が、COVID-19患者におけるパブリックデータを用い血漿の網羅的タンパク質解析から病態に関与しているサイトカインを同定

当科の松本寿健 特任助教は、大阪大学免疫学フロンティア研究センター単一細胞ゲノミクス研究室の石川昌弘 特任研究員、奥崎大介 准教授らとの共同研究で、COVID-19ワクチン接種に伴って発症した脳炎患者の血液シングルセルRNAシーケンス解析を行うことで、脳炎の急性期における骨髄系細胞集団の特徴を解明しました。(Frontiers in Immunology, 23 February 2023)

当科の松本寿健 特任助教は大阪大学免疫学フロンティア研究センター分化制御研究室の井上毅 准教授、黒崎知博 教授らとの共同研究で、2回目のSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種と比較して、3回目の接種ではOmicron変異体に対してより強力な中和活性が得られる機序を解明しました。
(J Exp Med (2023) 220 (2): e20221786.)

当講座の伊藤弘医師(博士課程)らは、大阪大学微生物病研究所ゲノム解析室遺伝情報学の奥崎大介特任准教授らと共同研究で、COVID-19と敗血症のトランスクリプトーム発現の差に好中球とミトコンドリアが影響を及ぼしていることを解明しました。
(Virology Journal (2022) 19:198)

当講座の蛯原健特任助教、松原庸博医師(現大阪警察病院医長)、戸上由貴医師(博士課程)らはCOVID-19における血中の網羅的タンパク質解析から重症例ではCHI3L1、WFDC2、KRT19、GDF15が上昇していることを明らかにしました。このうち入院時のCHI3L1、WFDC2、KRT19を測定することで重症化リスクの高い集団(フェノタイプ)を同定する手法を開発しました。
(J Clin Immunol. 2022 Nov 4. Epub ahead of print)
同研究は2022年11月11日に大阪大学よりプレスリリースされました

当講座博士課程の戸上由貴医師らが重症COVID-19患者の全血メッセンジャーRNA・マイクロRNAを統合解析し、マイクロRNAの制御作用を通じてインターフェロンシグナル経路が活性化していることを明らかにしました。
(Molecular Therapy Nucleic Acids. Volume 29, (2022), Pages 343-353)
同研究は、国内外のニュースサイトで紹介されました。
<掲載サイト>
(大阪大学大学院医学系研究科・医学部プレスリリース
(大阪プレスセンター
(EurekAlert!
(AlphaGalileo
(Asia Research News

当講座特任助教の舘野丈太郎医師らが、日本外傷データバンク(JTDB)データを用いて外傷死亡リスクの高い集団(フェノタイプ)を外傷診療の早期に同定する手法を開発しました。加えてプロテオーム解析を行うことで、高死亡率フェノタイプには過剰炎症と凝固障害が死亡に関わることを明らかにしました。
(Crit Care 26, 241 (2022).)
同研究は2022年8月10日14時に(プレスリリース) されました。

当講座の蛯原健特任助教は、COVID-19において脂肪組織などから分泌されるレジスチンが炎症性サイトカインや血管内皮障害マーカーと関連をもち、重症COVID-19の病態に関与することを明らかにしました。以下概要になります。

脂肪組織からはさまざまなサイトカイン(アディポサイトカイン)が産生され免疫組織として働いていることが注目されています。これまでさまざまなアディサイトカインを解析することで、その中でもレジスチンという物質が、敗血症や熱傷でサイトカインと関連を持ちながら病態に関与してきたことを明らかにしてきました(Shock. 2021 Nov 1;56(5):718-726.,Burns. 2021 Oct 27:S0305-4179(21)00296-5.)。今回COVID-19でもレジスチンはサイトカインと関連をもつことがわかり、さらに血管内皮障害マーカーとも関連をみとめたことから、重症COVID-19の新たな病態解明につながる可能性があります。(Front. Immunol., 16 June 2022)。

当講座の松本寿健 特任助教は、大阪大学微生物病研究所(感染機構研究部門 ウイルス感染制御分野)の中山英美 准教授らと共同研究で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗N抗体がSARS-CoV-2感染肺胞におけるIL-6産生を促進することを解明しました。
(Scientific Reports volume 12, Article number: 8108 (2022))

当講座の蛯原健医員が、COVID-19患者におけるパブリックデータを用い血漿の網羅的タンパク質解析から病態に関与しているサイトカインを同定しました。特にGDF-15という増殖因子が重症COVID-19の病態と関連していることを明らかにしました。

以下概要になります。

COVID-19の病態にIL-6などのサイトカインの関与が数多く報告されています。 今回、COVID-19患者のパブリックデータを用い、血漿の網羅的タンパク質解析から病態に関与しているサイトカインを同定し、大阪の重症COVID-19患者、細菌性の敗血症患者にて評価しました。IL-6、Amphiregulin、GDF-15が病態に関与しており、重症患者のみの解析でGDF-15が高値の症例では長期の人工呼吸管理を要すことを明らかにしました。敗血症でもこれらのサイトカインの上昇がみられ、いずれも敗血症のほうがCOVID-19より高値を示しました。(Frontiers in immunology, (2021).798338)。