重症患者におけるミトコンドリア機能障害の評価
敗血症など重症病態でみられる臓器障害進行のメカニズムの一つとして、細胞内ミトコンドリア機能の障害(’cytopathic hypoxia’)が注目されています。ミトコンドリアは全身の細胞に存在し、酸素を利用したエネルギー産生の場です。そのミトコンドリアが障害されることで、全身臓器に酸素利用障害が発生し、臓器障害の原因になるという概念です。しかしながら、重症病態(敗血症、重症外傷、広範囲熱傷、脳卒中など)患者におけるミトコンドリア機能障害の推移と臓器障害、予後との関連性は十分に検討されていません。当センターでは、各種重症病態におけるミトコンドリア機能をフローサイトメトリー解析により定量評価する前向き臨床研究を進めており、臓器障害、予後との関連を明らかにする予定です。