現在実施中の研究

現在実施中の研究

重症頭部外傷患者さんの長期予後に関する検討

研究課題名:重症頭部外傷患者さんの長期予後に関する検討
研究期間:実施許可日~2022年3月31日
当院研究責任者:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 特任助教 中村洋平

研究協力のお願い
当科では「重症頭部外傷患者さんの長期予後に関する検討」という研究を行います。この研究は、過去に大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターにて、頭部外傷に対する入院加療を行った患者さんの臨床情報を調査する研究で、研究目的や研究方法は以下の通りです。直接のご同意はいただかずに、この掲示によるお知らせをもってご同意を頂いたものとして実施されます。皆様方におかれましては研究の主旨をご理解いただき、本研究へのご協力を賜りますようお願い申し上げます。この研究へのご参加を希望されない場合、途中からご参加取りやめを希望される場合、また、研究資料の閲覧・開示、個人情報の取り扱い、その他研究に関するご質問は下記の問い合わせ先へご連絡下さい。患者さんもしくは代理人の方は、当研究への参加を拒否することができます。

①研究の意義、目的について:当センターでは、交通事故や転倒転落による頭部に損傷を受けた患者さんを年間100人以上治療しています。この中には脳震盪や頭部打撲といった軽症の頭部外傷患者さんがおられる一方で、重度の意識障害をはじめとする重篤な後遺障害を残す頭部外傷患者さんもおられます。以前当センターにおいて、重篤な後遺障害を呈した頭部外傷患者さんのうち、特に受傷後1ヶ月以上意識のない状態が続いた患者さんの、その後の経過を調査しました。その結果、当初1ヶ月以上意識の無い状態が続いた患者さんのうち、約6割の患者さんにおいて、その後1年以内に意識の改善を認めることが分かりました。 本研究は、当センターにおける頭部外傷患者さんの中で、受傷後1ヶ月以上意識のない状態が続いた患者さんの長期的な機能予後(数年から十数年の経過で、どの程度意識が戻り、どの程度社会生活を送ることができるのか)を調査することを目的に実施することとなりました。 本研究により、重症頭部外傷患者さんに対する急性期から慢性期の治療において、長期予後を勘案した治療の確立に寄与することが出来ると考えております。具体的には、当初重篤な後遺障害を呈している患者さんにおいても、長期的には神経機能の改善を期待して、急性期からの積極的なリハビリテーション加療を行うといった治療戦略を想定しております。

②研究の方法について:大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターで治療を受けられた頭部外傷患者さんの中で、受傷後1ヶ月以上意識の無い状態が続いた患者さんを対象とします。診療録から、年齢、性別、既往歴、来院時の所見、頭部CT検査所見、血液検査結果、治療方法、転帰に関する情報を匿名化して収集するとともに、当院から退院もしくは転院後の長期的な経過/予後について、集計および解析を行います。長期的な脳神経機能の予後評価には、Disability Rating Scaleという患者さんの機能障害を簡便に評価する指標を用います。患者さん自身やご家族さんに来院して頂く必要はなく、電話や書面を介しての評価になります。

③個人情報保護について:研究にあたっては、個人を直接特定できる情報は使用されません。また、研究発表時にも個人情報は使用されません。その他、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省)」および「同・倫理指針ガイダンス」に則り、個人情報の保護に努めます。

④研究成果の公表について:この研究成果は学会発表、学術誌などで公表します。

⑤問い合わせ等の連絡先:
大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 特任助教 中村洋平
〒565-0871大阪府吹田市山田丘2-15
電話番号:06-6879-5111(代表) 内線:3300
メールアドレス:y.nakamura@hp-emerg.med.osaka-u.ac.jp

研究