当院で実施中の臨床研究について
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研究内容の紹介
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「網羅的生体分子情報に基づいた全身性炎症疾患の新規分子病態解明」

研究課題名:「網羅的生体分子情報に基づいた全身性炎症疾患の新規分子病態解明」

当院研究責任者:小倉裕司 大阪大学大学院医学系研究科 救急医学講座・准教授

 

    対象疾患

 

救命救急センターで診療対象とする種々の重症病態:敗血症、外傷、熱中症、熱傷、急性中毒、蘇生後脳症、アナフィラキシーショックなど。

 

② 選択基準

 

全身性炎症反応症候群(SIRS)の基準を満たし、集中治療を要する患者。

SIRS診断基準:以下の4項目のうち、2つ以上を満たす場合をSIRSと診断する。

1)    体温 >38℃もしくは <36℃

2)    脈拍数 >90/

3)    呼吸数 >20/分、あるいはPaCO2 <32mmHg

4)    白血球数 >12,000/mm3もしくは<4,000/mm3、または幼弱球>10%

 

対照群:健常者

 

健常者は以下の基準で、インターネット、ポスター掲示等により広く募る。

選択基準 : 15歳以上の男女を対象とし、過去半年間に入院していない健常者。

 

③ 目的:

 

SIRSをきたす重症救急患者における生体試料を用いた包括的分子生物学的情報(遺伝子発現、遺伝子産生物)に基づいて新規病態解明を行うこと。

 

④ 方法:

1)    2020年6月29日から救命救急センターに搬送されたSIRS患者と、健常者の生体試料(血液、尿、組織浸出液、喀痰、便、残余組織等)を用いて以下を測定する。

 

2)    測定項目

遺伝子発現:DNARNAシークエンスによる包括的遺伝子解析。

遺伝子産生物: 蛋白、代謝産物:タンパク質、代謝産物の包括的プロファイリング

 

 

 

 SIRS患者:

 

全身性炎症反応症候群(SIRS)の基準を満たさない非SIRS患者からも、SIRS患者と同様に生体試料を採取し測定する。これから、非SIRS患者との比較を介してSIRS病態を解明する。

 

 

⑥ 意義:

 

生体は重度の侵襲を受けると、免疫担当細胞の過剰活性から全身性炎症反応症候群(SIRS)が引き起こされる。炎症が過剰になると致死的な播種性血管内凝固症候群や多臓器障害をきたす。本研究の目的は、SIRS患者の生体試料を用いた包括的分子生物学的情報(遺伝子発現、遺伝子産生物)に基づいて新規病態解明を行うことである。様々な生体試料からの包括的分子生物学的情報を解析することで、患者別に異なる分子病態が明らかになり、SIRS患者の個別化医療の発展に繋がる可能性がある。

 

⑦ 個人情報の扱い:

 

「匿名化」を行い、個人情報を保護する。研究対象者のデータや検体から氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化を行う研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は外部に漏れないように厳重に保管する。

 

⑧ 問い合わせ先:

 

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。

照会先:

大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター 小倉裕司、松本寿健

565-0871大阪府吹田市山田丘2-15

電話番号:06-6879-5111(代表)

 

 

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