基礎・臨床研究
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頭部外傷 Talk and Deteriorate症例への新たな治療

 頭部外傷で当救命救急センターに救急搬送される頭部外傷症例の中に、来院時には会話が可能であるが来院後に意識障害が進行し大きな後遺症を残す症例が存在する。このような症例は'Talk and deteriorate' 症例と呼ばれるが、現在の医療ではこのような来院後神経症状の悪化する症例を確実に予測することが困難である。そのため、厳重に意識状態を観察し、症状が悪化した時点で初めて開頭手術などの治療を行っているのが実情である。このような神経症状が悪くなる症例を正確に予測し、神経症状の悪化を食い止める治療を行うことができれば、このような症例の神経学的機能予後を改善できると思われる。我々はこのような観点から、来院時の理学的所見・検査所見により頭部外傷症例の予後を予測する臨床研究を行ってきた(J Trauma 2009;66:304-8)。その中で特に、外傷性頭蓋内血腫の増大、挫傷脳の腫脹については、幾つかの重要な要因を明らかにしており、現在来院時の予測だけでなく、神経症状悪化を防ぐ治療法についても研究している。

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