基礎・臨床研究
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重症頭部外傷に対する治療戦略

 頭部外傷に対する診断・治療は年々進歩しつつある。しかしながら、重症頭部外傷は若年層の最大死因である外傷死の約半数を占めており、依然として救命困難な症例、救命はできたものの重篤な後遺症を残す症例が少なくない。我々の教室では、重症頭部外傷に対する急性期治療として頭蓋内圧コントロールを積極的に行い、世界に先駆けて脳低体温療法・バルビタール療法といった急性期の脳保護治療を確立してきた(J Neurosurgery 1993;79:363-3、J Neurosurgery 1998;89:206-11、J Neurosurgery 1999;91:185-91、J Neurosurgery 2001;94:50-4、J Neurosurgery 2003;99:47-51)。これにより、頭蓋内圧上昇を防ぎ、致死的な頭部外傷症例の一部を救命することができるようになった。これは頭部外傷治療において大きな進歩であったが、依然重症頭部外傷症例の予後を改善するには至っていない。現在我々は、脳低体温療法、バルビタール療法、脳室ドレナージ術、減圧開頭術などの治療法を用いた最適な治療戦略の確立を目指し研究を行いつつ、新たな治療方法の開発についても研究を行っている。

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